2008年2月16日土曜日

ベルリン国際映画祭 報告05

深夜の熱論
「実録・連合赤軍」、今日はアレクサンダー広場のキュービックと言うシネコンで、夜8時から上映されました。収容能力1000人を超える大きな館内は、上映終了が深夜になるにもかかわらず、ほぼ満席。この作品への、関心の高さを窺わせます。

 アレキサンダー広場には、ベルリンのJR線にあたるSバーンの駅を挟んで、1965年に建設された高さ365メートルのテレビ塔が聳え、広く無機的な空間が広がっています。1965年は、すでにこの作品に描かれた歴史の一部です。当時は“近未来的”と考えて造られたこれらのランドマークが、いまはどこか古くさく感じられるのは、そのときに思い描いた未来が、2008年の現実とは大きく隔たっているからかもしれません。作品の登場人物たちが、描いていた未来像とどんな形をしていたのだろうか? と、思わず考えさせらるような光景です。
 



 上映終了が終電まぢかだったにもかかわらず、多くの人が若松監督とのティーチインに残りました。そして、白熱する論議は、館内の施錠時刻が過ぎても、場所を館外に移して続きました。上映のあと、多くの人がその場を立ち去りがたくなる何かを、この作品は持っています。その“何か”を、観客の皆さんに考えていただくのも、この映画のテーマのひとつなのかもしれません。
 日を追うごとに、反響の大きさと深さを実感しています。

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