16日(土)、公開2週目に突入したその日、
1週間前に佐野史郎、高岡蒼佑らが挨拶したTKPシアター柏に
アツい面々が勢揃いした。
最初は「千年の愉楽」上映後舞台挨拶に
井浦新と大西信満が登壇。
それぞれにワンシーンしか出ていない二人が
作品との出会いを最大限に演出するために、
わずか15分という短い時間ながら挨拶に立った。
三島のイン前に骨折という大怪我をした井浦と同じく
千年のイン前に半月板損傷という大怪我をした大西。
しかし、作品づくりに、わずかでも関わったという事
作品に、少しのひっかき傷でも残したという事が、
遺作となった今回においては、しみじみ、良かったと思うのである。
そして、「千年の愉楽」に引き続いて上映されたのが
「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」。
3スクリーンあるTKPシアターのうち1スクリーンは
今週末まで、「千年の愉楽」含む若松孝二の近作を
代わる代わる上映している。
ここのトークで久しぶりに参戦したのが
森田必勝演じる満島真之介。
「おしん」の豪雪地帯でのロケを終えて
東京に戻って来たばかりだという。
この3人が揃えば、話しが弾まない訳がない。
会場からも次々と挙手が続く。
「割腹シーンのリアルさ、何を参考にしたのか」
「三島は本当は生きて小説を書きたかったのではないか」
「割腹シーンを自ら演出して演じ、そして実行してしまった衝撃」
「撮影で辛かった事、監督との思い出は」
何も参考にするまでもなかった割腹シーンの緊張感。
「腹を切って苦しむ三島さんの背中を見つめながら
内蔵まで飛び出しそうな思いでいた。早くラクにしてあげたかった」
と語る真之介、「早いんだよバカ!新の顔を見せたいんだよ!」という
監督からのダメ出しに、「お前に俺の気持ちがわかるか!」という
人生初の反抗心を抱いた凄まじい形相を、
ぜひ、メイキング映像で見て笑ってやって欲しいと語った。
いくつものトークを経て来た、三島の公開の日々を思う。
森田を演じていた頃の、感情を剥きだしにしていた真之介が
今は、いくつもの役を生きて来た堂々たる役者の顔をして
お客さまの前に立ち、作品や思いを話している。
その真之介を、出番のない日にも現場に通い続けて
キャメラの向こう側からサポートし続けてきた大西。
あるいは、三島を演じる背中を見せてきた井浦。
「三島さんはきっと、小説家としての思いはあっただろうと
僕も思います。
森田さんは、国を憂う、ただ1点で、心で行動したけれども
三島さんは、その憂いに加え、表現者としての思いもあったはず。
心と頭で考える人であり、行動による作品とも捉えられる」(井浦)
「走るシーンの滑稽さは、あの当時、足を骨折していて
走れる状況ではなかったという裏側の事情はあったけれども
カンヌではあのシーンで客席から笑いが起こったし
三島さんの下半身の弱さを表現する上では、結果的に良かったと
監督は満足していた。
剥きだしのひたむきさは、美しくもあるけれど、一周してしまうと
愛情を抱きつつも笑ってしまうような滑稽さも感じるのが人間」(井浦)
「人が本当に集中する時というのは、力んだりするのではなくて
ここまで静かなものなんだ、という事を三島を演じる新さんの姿で知った。
俺ができるのは、大丈夫か?と隣で真之介を見つめる事だった。
静かな新さんの情熱、壊れそうな真之介の情熱、対照的な2つの情熱を
間近で見つめ続けた得がたい経験だった」(大西)
劇場の方の不安そうな視線を遮りつつ、
時間を超えて話し続けた3人。
続けて、ロビー脇の書籍ブースにてサイン会を行った。
長蛇の列をなすお客さまたちの手には「11.25自決の日」
「実録・連合赤軍」「海燕ホテル・ブルー」など
それぞれの思いの詰まったガイドブックが。
問いかけに答え、写真撮影に応じ、握手に応じながら
丁寧にサインをして感謝を述べる3人。
こうして、駆け足ではあったが、柏TKPシアターにて
10日に引き続き、2日目のトークイベントが終了した。
足をお運び下さったお客さま、ありがとうございました。
「千年の愉楽」を含む、若松作品特集上映は、今週金曜までです。
この同じ日、高岡蒼佑は、関西の4つのシアターを回って
トークイベントをこなしていた。
そして、翌17日(日)には、高岡、井浦の2人が
広島と岡山の特別先行上映の舞台挨拶へ。
立ち見も出るほどの賑わいだったという岡山では
司会者の制止も振り切って、大幅30分オーバーのトークが
繰り広げられたという。
まるで、若松孝二がその場に降りてきたかのようだったという
そのトークの模様は、近日、岡山の劇場からレポートが届き次第
ブログにアップする予定。
いよいよ、公開関連イベントも残り少なくなってきた。
好評だった「若松孝二を支えた女優たち」トークも
形や構成を変えて、新宿で開催できないか検討中。
詳細が決まり次第、告知していきます。
4月5日6日は、佐野史郎がフォーラム系の劇場を回る
怒涛の東北ツアーへ。
地を這うように、若松組の公開は、次なる一手を模索中。
乞うご期待。
1週間前に佐野史郎、高岡蒼佑らが挨拶したTKPシアター柏に
アツい面々が勢揃いした。
最初は「千年の愉楽」上映後舞台挨拶に
井浦新と大西信満が登壇。
それぞれにワンシーンしか出ていない二人が
作品との出会いを最大限に演出するために、
わずか15分という短い時間ながら挨拶に立った。
三島のイン前に骨折という大怪我をした井浦と同じく
千年のイン前に半月板損傷という大怪我をした大西。
しかし、作品づくりに、わずかでも関わったという事
作品に、少しのひっかき傷でも残したという事が、
遺作となった今回においては、しみじみ、良かったと思うのである。
そして、「千年の愉楽」に引き続いて上映されたのが
「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」。
3スクリーンあるTKPシアターのうち1スクリーンは
今週末まで、「千年の愉楽」含む若松孝二の近作を
代わる代わる上映している。
ここのトークで久しぶりに参戦したのが
森田必勝演じる満島真之介。
「おしん」の豪雪地帯でのロケを終えて
東京に戻って来たばかりだという。
この3人が揃えば、話しが弾まない訳がない。
会場からも次々と挙手が続く。
「割腹シーンのリアルさ、何を参考にしたのか」
「三島は本当は生きて小説を書きたかったのではないか」
「割腹シーンを自ら演出して演じ、そして実行してしまった衝撃」
「撮影で辛かった事、監督との思い出は」
何も参考にするまでもなかった割腹シーンの緊張感。
「腹を切って苦しむ三島さんの背中を見つめながら
内蔵まで飛び出しそうな思いでいた。早くラクにしてあげたかった」
と語る真之介、「早いんだよバカ!新の顔を見せたいんだよ!」という
監督からのダメ出しに、「お前に俺の気持ちがわかるか!」という
人生初の反抗心を抱いた凄まじい形相を、
ぜひ、メイキング映像で見て笑ってやって欲しいと語った。
いくつものトークを経て来た、三島の公開の日々を思う。
森田を演じていた頃の、感情を剥きだしにしていた真之介が
今は、いくつもの役を生きて来た堂々たる役者の顔をして
お客さまの前に立ち、作品や思いを話している。
その真之介を、出番のない日にも現場に通い続けて
キャメラの向こう側からサポートし続けてきた大西。
あるいは、三島を演じる背中を見せてきた井浦。
「三島さんはきっと、小説家としての思いはあっただろうと
僕も思います。
森田さんは、国を憂う、ただ1点で、心で行動したけれども
三島さんは、その憂いに加え、表現者としての思いもあったはず。
心と頭で考える人であり、行動による作品とも捉えられる」(井浦)
「走るシーンの滑稽さは、あの当時、足を骨折していて
走れる状況ではなかったという裏側の事情はあったけれども
カンヌではあのシーンで客席から笑いが起こったし
三島さんの下半身の弱さを表現する上では、結果的に良かったと
監督は満足していた。
剥きだしのひたむきさは、美しくもあるけれど、一周してしまうと
愛情を抱きつつも笑ってしまうような滑稽さも感じるのが人間」(井浦)
「人が本当に集中する時というのは、力んだりするのではなくて
ここまで静かなものなんだ、という事を三島を演じる新さんの姿で知った。
俺ができるのは、大丈夫か?と隣で真之介を見つめる事だった。
静かな新さんの情熱、壊れそうな真之介の情熱、対照的な2つの情熱を
間近で見つめ続けた得がたい経験だった」(大西)
劇場の方の不安そうな視線を遮りつつ、
時間を超えて話し続けた3人。
続けて、ロビー脇の書籍ブースにてサイン会を行った。
長蛇の列をなすお客さまたちの手には「11.25自決の日」
「実録・連合赤軍」「海燕ホテル・ブルー」など
それぞれの思いの詰まったガイドブックが。
問いかけに答え、写真撮影に応じ、握手に応じながら
丁寧にサインをして感謝を述べる3人。
こうして、駆け足ではあったが、柏TKPシアターにて
10日に引き続き、2日目のトークイベントが終了した。
足をお運び下さったお客さま、ありがとうございました。
「千年の愉楽」を含む、若松作品特集上映は、今週金曜までです。
この同じ日、高岡蒼佑は、関西の4つのシアターを回って
トークイベントをこなしていた。
そして、翌17日(日)には、高岡、井浦の2人が
広島と岡山の特別先行上映の舞台挨拶へ。
立ち見も出るほどの賑わいだったという岡山では
司会者の制止も振り切って、大幅30分オーバーのトークが
繰り広げられたという。
まるで、若松孝二がその場に降りてきたかのようだったという
そのトークの模様は、近日、岡山の劇場からレポートが届き次第
ブログにアップする予定。
いよいよ、公開関連イベントも残り少なくなってきた。
好評だった「若松孝二を支えた女優たち」トークも
形や構成を変えて、新宿で開催できないか検討中。
詳細が決まり次第、告知していきます。
4月5日6日は、佐野史郎がフォーラム系の劇場を回る
怒涛の東北ツアーへ。
地を這うように、若松組の公開は、次なる一手を模索中。
乞うご期待。
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