作品公開2週目に突入した3月17日(日)。
4月6日(土)に公開を控えた岡山県のシネマ・クレール丸の内で
先行上映会および、井浦新さんと高岡蒼佑さんの舞台挨拶が行われました。
本日は、立ち見も合わせて150名を超える観客がクレールに。
何より、女子トイレで化粧直しをする行列。
今だかつて見たことのない劇場の風景に、劇場スタッフもびっくり…。
作品上映後、井浦さんと高岡さんが登壇。
大きな拍手、そして黄色い悲鳴。
最前列の観客から、井浦さんに花束がさっそくプレゼント。
それに喰い気味で、「僕も、お花ほしいな…」と、高岡さん。
作品の三好同様、母性本能をくすぐるセリフ、たまらんです!
そんな掛け合いをしながら、
撮影現場の様子や監督とのやり取りを語り始めるお二人。
監督との思い出に話が移り、井浦さんは、
「今まで、かっこつけて役者をやってた自分に、
本当の意味で映画を作る楽しさ、演じる楽しさを教えてくれたのが、
若松監督だった」と。
そこから、どんどんトークに熱が帯びていく井浦さん。
映画の在り方や俳優の在り方…、監督から受け継がれたもの、
そして、今後自分が受け継いでいくものを語るその姿は、
まさに若松監督が乗り移ったよう。
「役者論を語るヤツって、俺大嫌いなんですよ」と言い放った井浦さんに
完全に重なる若松監督の姿。
以前、『キャタピラー』のインタビューで激を飛ばしていた監督の姿そのもので、
現場にいた自分は涙が出そうに。
その熱さは、舞台挨拶終了後、
「俺、今日は変なスイッチ入っちゃった」と本人も驚いていたほどでした。
井浦さんからは、『千年の愉楽』だけでなく、監督の過去作品に関する話も。
「僕は、監督の作品の中で、『寝盗られ宗介』が一番好きです」
というコメントに、会場からは「おぉ~!」と歓声が。
会場のファンが興奮するのも当然。
と言うのも、実は『寝盗られ宗介』主演の原田芳雄さんは、
奥様の実家がある岡山と、並々ならぬご縁があるのです。
昨年秋には、有志によって「原田芳雄映画祭」が開催。
そこでも、『寝盗られ宗介』は上映されていたのです。
そんな原田さんの話が、井浦さんの口から直接語られ、
会場の映画ファンは言葉にできない喜びに包まれました。
そして、あっという間に所定時間が過ぎ、司会が最後の締めにかかろうとしたとき、
「話、まとめるのやめてください」と、司会の静止を振り切る井浦さん。
会場からはもちろん大きな拍手!
その後、司会者と井浦さんがあわや乱闘騒ぎに…というのは冗談ですが、
映画の魅力を、若松監督の思いを伝えるという使命をおびた井浦さんの
強い意志が感じられました。
この一言は、2人がお目当てだった多くの観客が、
本当の意味で若松映画ファンになった瞬間でもありました。
さらに続くトークライブ。
高岡さんのキャスティングについては、お二人からこんな話も。
高岡「正直、『千年の愉楽』のお話をいただいたとき、
プライベートでいろいろあった時期だったんで、
お断りしようって思ってたんですよね。
寺島しのぶさんが僕を指名してくれたって説もあったんですけど、
実際俺なんで呼ばれたんですかね??(笑)」
井浦「監督って、見えない圧力や権力に虐げられている人にすごく共感するんだよ。
ワイドショー好きだったからな~。当時、ワイドショーに高岡がいっぱい出てたからね」
高岡「そう言えば、監督に『俺、お前の演技見たことないから』って
言われましたよ(笑)。そういうことだったんだ」
その後、高岡さんの口からは、過去に世間を賑わせたtwitter騒動の件も。
普通なら避けてしかるべき話題にも関わらず、
当時の様子や報道に対する違和感も飄々と語ってくれました。
自分が正しいと思ったことをそのままストレートに言える、
若松監督のように一本筋が通った一面を、高岡さんにも感じました。
最後に、はるばる兵庫県からやってきた男子高校生に井浦さんから
「この映画、どうだった?」と逆質問も。
「最初の井浦さんのシーンはインパクトがあって印象的だった。
そのあと、オバアの回想として3人の男たちの生き様が描かれていた。
とても分かりやすかった」と、大人顔負けのすばらしい感想が。
井浦さん&高岡さん、そして会場の観客から感嘆の声があがったのは
言うまでもありません。
そのほかにも、作品について多くの観客と語り合い、
最終的に30分の舞台挨拶が、1時間を超えるロングトークライブに。
岡山の映画ファンにとっては、至福の時間となりました。
岡山を発つ直前に、井浦さんはJR岡山駅構内にある
岡本太郎氏の陶壁画「躍進」のもとにも。
短い時間でしたが、シネマ・クレール丸の内での舞台挨拶とともに
岡山での思い出を残していただけたようです。
『千年の愉楽』岡山公開は、4月6日(土)より、シネマ・クレール丸の内にて。
http://www.cinemaclair.co.jp/
さらに、今回の『千年の愉楽』先行上映会での舞台挨拶の
完全版&井浦新さん・高岡蒼佑さんインタビューは、
4月上旬に タウン情報おかやま
http://www.vis-a-vis.co.jp/tjo/
で公開予定です。ぜひこちらもご覧ください。
※取材・撮影/タウン情報おかやま 河野愛
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