2013年5月18日土曜日

ポレポレ東中野速報。佐野史郎さん、原田麻由さん!

本日はカラリと晴れた初夏の陽気。
「千年の愉楽」上映中のポレポレ東中野にて、
トークイベント第2弾が行われました。
本日のゲストは佐野史郎さんと原田麻由さん。
若松監督とは状況劇場時代から32年の付き合いになるという佐野さんと
若松作品に多く出演してくださった原田芳雄さんの愛娘の麻由さん。
中上作品を家族で愛読し、中上健次さんとも親交があり
新宮とも深くつながっていた芳雄さんは、
中上作品の映画化にも強い思いを抱いていた事。

 
そして、こうして若松孝二が中上さんの作品の映画化を果たし、
芳雄さんの遺伝子の麻由さんがミツに配役された事、
三好のコートやオバの袢纏などに芳雄さんの衣裳が使われていた事などを
二人が楽しげに語りました。



「若松監督も中上さんも、状況劇場にもよく来ていたけれど
 あの二人は双子みたいによく似ていて…大げんかの後に仲良しになったのは
 若松監督は中上作品をそんなには読んでいなかったと思うけれども
 活字ではなく身体で丸ごと中上さんの作品が伝わっていると感じていた」
と佐野史郎さんが振り返りました。
「残念ながら、『千年の愉楽』ロケが実現したときには
 芳雄さんはすでに亡くなれていて、ワンカットも登場はしていないけれど
 僕は、彦之助の父親、タツに芳雄さんの存在を感じていて
 台詞の中でタツの事を語る時は、芳雄さんの顔を思い浮かべていました」
「芳雄は若松監督と長い付き合いがありましたが、
 私自身は、この作品が若松監督の一作目でした。
 現場では激しく檄を飛ばされましたけれども、
 直談判をすれば、必ず次回作にも何とか出してくれる
 そういう監督でしたから、次が必ずあると信じていたのに
 次がなくなってしまったという事が、本当に残念で仕方がない」
と麻由さんが語ると
「若松孝二の新作が撮られる事はないという事実は受け止めねばならない。
 でも、今も、どこの現場でも、監督だったらこう言うだろう
 こうするだろう……と考えながら表現を続けている。
 身体はなくなっても、まだ存在があるという事を強く感じている。
 監督のまなざしに恥じないように、1つ1つ演じあげていくしかない。
 そして、これまでの若松作品を改めて見なおして行く事
 作品と新たに出会っていくという事も
 また別の若松作品の『新作』のありようだろうと思っています」
と佐野さんがまとめました。



濃く深く、そして静かで暖かなトークでした。
作品への真摯な向き合い方、現場での真剣勝負。
若松孝二とセッションを繰り返してきた佐野史郎さんの言葉の中にも
そして、最後の若松組の現場で新しい息吹を見せてくれた麻由さんの中にも
確かに若松孝二は生きているのだと、実感するトークとなりました。
さて、トークの追加第5弾!
5月20日(月)12:40上映終了後/15:10上映前
今回、直一郎役を演じた岩間天嗣さんがトークに駆け付けます!
明日は高岡蒼佑さんがポレポレ東中野にいらっしゃいます。
高岡さん演じる三好は、現場でも監督を唸らせる事度々。
スクリーンに現れる三好の生き様を堪能し、
そして、高岡さんの語る若松組の言葉をぜひお聞きのがしなく!

2013年5月14日火曜日

ポレポレ東中野トーク第1弾終了!

本日、ポレポレ東中野にてのトークイベント第1弾。
清二役の地曵豪さんと、初枝役の安部智凛さんが
舞台挨拶に駆け付けました。

 
平日の午後という事もあって
客席は大入りという訳にはいきませんでしたが
来て下さったお客さまに最大の感謝を込めて
二人がスクリーンの前に立ちました。




「実録・連合赤軍」以来の若松組同志の二人。
レンセキの現場で初日からいかに怒られ
いかに怒りの中に監督の愛情を感じたか。
現場でヘコみ、役者同士のダメだしや支え合いで
日々進んでいった怒涛の現場。
話題は尽きず、あっという間の20分でした。
終始、笑いに溢れつつも、
二人の言葉の中には、若松監督への愛情があり
そして、変化球織り交ぜてエピソードが加速する
安部智凛さんの会話を全て受け止めて
お客さんへ届けようとする地曵さんの配慮もあり
ああ、そうだそうだ、こうやって役者さん同士が
支え合って、予定調和ゼロの現場が動いていっていたなあと
もう二度と戻って来ない若松組の現場を
懐かしく思い出したのでした。
 

 
 
次々と新たなトークが決まっています。
次は18日(土)佐野史郎さんと原田麻由さん。
その前に、もしかしたらスペシャルサプライズがあるかもしれません。
決まり次第、ブログとツイッターにて告知して参ります。

2013年4月17日水曜日

「千年の愉楽」舞台挨拶レポート(広島サロンシネマ)

4月13日(土)「千年の愉楽」10:00の回上映終了後、舞台挨拶に佐野史郎さんと高岡蒼佑さんが来て下さいました。
電車に遅れがあり、佐野さんは上映が終わる少し前にギリギリ到着。
落ち着く時間もないまま控室から場内へ入っていただき、登壇後も佐野さんのマイク第一声は息切れでした。
そんな佐野さんが作ってくださった雰囲気に場内では笑いも起き、すぐにお客様も和んでいました。
実は舞台挨拶で場内に入る直前に、扉の傍でカメラを手に待っていたお客様を見かけ、まだ息切れされていた佐野さんは立ち止まって「写真ですか、いいですよ」と快く応じてくだったりしていました。
高岡さんは監督作品が初めてで、監督からこういう事を学んだというのはすぐには言えないかもしれないが、あの時経験したことを噛みしめながら役者を続けていくとおっしゃってくださいました。
またお客様からの質問にあったご自身の名前の漢字が変わった理由などにも触れてくださりなかなか聞けない内容だったので質問されたお客様も喜ばれたと思います。
佐野さんからは「そろそろ監督の等身大の姿の話もしていかないと供養にならないんじゃないかと思って…」と以前あったテレビ撮影時のお話し等をしてくださいました。
佐野さんはテレビドラマがヒットして、ドラマ撮影時には控室も用意される程の待遇に、若松監督もその時テレビ撮影をされていた事があり、たまたま隣のスタジオだったことがあったそうです。
若松監督は佐野さんに「いいなー佐野は控室があって…」と少しひがんでいる姿だった事や、佐野さんの演技に「佐野さんはテレビっぽい演技ですね」と、そのよそよそしい言い方にも場内は笑いに包まれました。




そして若松監督と佐野さんが(結果的には最後の)お酒を飲んだ時の話で、滅多にない昔を振り返る話をしたそうです。その時に高岡さんの事をとにかく褒めていたよと、佐野さんから高岡さんに伝えていたのが印象的でした。

最後はパンフレットにサインもしてくださり、ご購入されるたくさんの方の列ができました。佐野さんは事前に書く時間がなかったので終わった後にたくさん書いていただき、高岡さんも売り切れたので追加で書いてくださいました。
短い時間でしたがお二人の舞台挨拶にお客様も大変喜んでくださいました。

広島サロンシネマにて絶賛公開中です。

「千年の愉楽」シネマ尾道舞台挨拶レポート

●シネマ尾道舞台挨拶レポート

4月13日(土)。
広島市を後にし、午後より尾道市のシネマ尾道にて佐野史郎さんと高岡蒼佑さん
による舞台挨拶が行われました。
満席を越える120名近くのお客様にご来場いただき、普段なかなか見れない光景
に、支配人・河本、スタッフ一同テンションがあがります。




盛大な拍手でゲストのお二人を迎え、いよいよ舞台挨拶開始。
登壇してすぐに、「今回初尾道ですが、わずか45分しかいれないのが本当に残念
です」と、佐野史郎さん。
「映画の話もしますが、尾道について語っていいですか?」と、マイクを握り映
画の聖地・尾道への思いを語り始めました。
「「東京物語」をはじめとする小津安二郎作品が、私自身の役者人生の軸になっ
ています。「東京物語」の舞台でもあるここ尾道は、役者や映画人 にとって憧
れの地で、いつか必ず行ってみたいと思っていました。今回映画の仕事で来るこ
とができ、すごく嬉しいです。」と、原田芳雄さんへの 思いやご自身の役者論
に至るまで、幅広く語っていただきました。
続いて高岡蒼佑さん。
若松孝二監督への思いや、三好という役柄について熱く語っていただきました。
「今日、テレビの取材が来ているようですが、ワイドショーネタは話しませんの
で(笑)」と笑顔で話す高岡さんのキラキラした瞳に、最前列の若 い女性達の
みならず、常連の年配の女性もうっとりとし…。

後半は、質疑応答。
僅か30分足らずの舞台挨拶は、あっとゆう間に終了。

「また必ず尾道に来ます!」と、佐野史郎さん。
客席から「ぜひ!」と歓声が上がり、尾道のお客様も大満足のアットホームな舞
台挨拶になりました。

佐野史郎さんは、「う~ん。尾道いいなぁ~。」とつぶやきながら尾道駅や劇場
を、カメラでパチパチと。


佐野史郎さん、高岡蒼佑さん。
映画の聖地・尾道へ、ぜひまたゆっくりとお越しください!




「千年の愉楽」は、シネマ尾道にて5月3日まで上映しています。

2013年4月8日月曜日

映像化できない世界の映画化/テアトル新宿最終イベント終了

前日の悪天候から一転、カラリと晴れ渡った日曜日。
テアトル新宿にて『千年の愉楽』のトークイベントが行われた。
「この作品上映する時は、路地の事とかいろいろ
 話していかないとならないな」と話してた若松監督。
それならば!と、企画した、テアトル新宿のファイナルイベントは
「路地の背景に広がるもの」として、
脚本の井出真理氏と評論家の菅孝行氏をお呼びして
わずか30分という時間の中で、
<路地>とは何ぞや。若松孝二は何を描きたかったのか。
シナリオが出来上がるまでに、どのように手探りしたのか…
みっちりと語って頂いた。
井出氏は、若松孝二に「半蔵と三好の物語を軸に
全て、オリュウに還っていくように描いて欲しい」と依頼された事を語り
「〝差別〟は、してる側はその事実をないものとして生きていけるけど
 されている側は、〝ないもの〟として扱われたまま生きていかねばならない。
 それに対していかに抵抗していくか、という物語だと考えた。
 そして、オリュウの抵抗の方法は、力ではなく
 ずっとそこに〝存在し続ける事〟であると考えたんです」と話した。
菅氏は、「中上健次と関わりのあった編集者に
『千年の愉楽』が映画化されるらしい、と話したら
「映像化不可能だろう」という反応だった。
 確かに、あの文学をそのまま縦に映像化したら
 単なる笑い話にもならない作品になっただろう。
 その事を若松さんも井出さんも十分承知で
 だからこそ、原作の骨格は残しつつも、
 全く異なる、極めて論理だった物語に生まれ変わった。
 これの好き嫌いは分かれるだろうけれども」と話した。

さらに、菅氏は、〝高貴で汚れた血〟という言葉が表すもの、
命の入り口と出口を司る存在は最も高貴であるか
最も穢れたものとして扱われるかしかなかった事。
極めて近いその存在が、光と影につくりかえられた事などを
明快に語った。
井出氏は、<路地>の人たちの日常をいかに描くかに腐心し
臓物で油かすを作って行商するミツの存在を作りだした事や
漁業にも加われない状況を三好の一言に込めた事などを語った。
そして、極めて神話的な小説である原作を映像化する象徴として
シナハンで見出した花の窟を語った。
30分はあっという間。
でも、きっと、監督が語りたくて語りたくてしょうがなかった事を
二人が作品を語る事を通して話してくれた30分に
監督はニンマリとしたはず、と思えたテアトル新宿の最終イベントは
無事、そして静かに終了した。
足をお運びくださったお客さま、ありがとうございました。
いよいよテアトル新宿での上映は今週金曜まで。
熱狂的でもなく、淡々と続いている『千年の愉楽』全国公開である。
でも、淡々の内側に沸々と沸き上がっているのである。

2013年3月30日土曜日

若松孝二を支えた役者たち7名集結!

本日、テアトル新宿で
近年の若松組の現場に参加した個性派俳優が
7名勢揃いした。

半蔵の母親、トミ役の増田恵美、
年若い半蔵を預かった久市の女房カネ役の並木愛枝、
三好の運命を狂わせていく人妻芳子役の月船さらら、
路地一番のウワサ好きなミツ役の原田麻由、
半蔵の男ぶりにのめり込む後家の初枝役の安部智凛、
三好がアニと慕う盗人の直一郎役の岩間天嗣、
半蔵の山仕事仲間、ジンノスケ役で助監督兼の瀧口亮二。

DSCN1289.JPG


並木は『ある朝スウプは』という出演作を観た若松孝二からの
熱烈なコールを受けて『実録・連合赤軍』で永田洋子を演じた実力派。
その同じ現場を共にした安部智凛が、レンセキ初日に
履いていた靴の事で監督から「お前は今日でクビだ!」と大激怒され、
助監督の機転で現場がなんとか回っていった事を語り、
「監督って、助監督が自分の靴を脱いで渡した様子を見ていて
 本当はクビにするつもりなんかなかったかもしれないけれど
 怒りで現場をつくり、またその怒りに対してスタッフも含めて
 現場の人間がどう動いていくかをしっかり見てたと思う」と並木。

若松孝二の激怒エピソード、『11.25自決の日』にも出演し
三島と森田を介錯する古賀を演じた岩間天嗣が
三島の現場で、衣裳部の指示通りに学ランを着ていったところ
「お前、それは違うだろう!衣裳部が着ろと言われたら
 お前はそれを着るのか!それでいいのか!」と怒鳴られた事を語り
「衣裳部が決めたものを着た!」と怒られたのは俳優人生初だったと話し
会場の笑いを誘った。

「それでも、監督って、どうしても次も出たいんです!と言えば
 きっと出してくれるだろうって思える、そういう人でしたよね。
 相手との関係性をとても大切にしていて」と原田麻由が語ったのは
父、原田芳雄氏と監督との対談を書籍にしたいと編集者が
監督に電話した時のエピソード。
「電話に直に出た監督は、すぐに、ああ、いいよいいよと即答して
 後ほど、企画書をお送りします、と編集者が言うと、
 『そうやって、自分が正しい仕事をしてます、というやり方はやめろ。
 俺が、芳雄さんとの関係でいいって言ってるんだから、いいんだよ』と
 いきなり怒り出したんです」という。
四角四面に、自分たちの企画書というパターンではなくて
「俺と芳雄さん」といった関係性での物事のありようを
感覚的に大切にしてきた若松監督らしいエピソードだが
編集者もビックリしただろう。

映画は若松組が初めてだった増田は、若松組の常識が
他の現場では通用しない事を知って驚いた事を語り、
どうしても『千年の愉楽』に出たいと、何度も直談判の末、
助監督見習い兼、という事で、キャスティングに加わった事を
瀧口が語った。

とにかく、俳優にもスタッフにも、あるいは第三者にも
自分の頭で考えろと言い続けた若松監督の原動力は『怒り』と『直感』。

「とにかく早撮りで、ナイターシーンを待ちきれず
 『夜、まだか!』とスタッフに対して怒ってました(笑)。
 結局、夜になるのを待ちきれずに撮り始めて」と月船さらら。

「綺麗な目をした半蔵に、こんな事を言わせたくない」と
そのシーンの撮影数分前に、大幅にシナリオがカットされたエピソードも。

30分のトークはあっという間。
ほとんどのエピソードには、常に笑いがあった。
監督の理不尽さも強引さも情の深さもせっかちさも
全て、思い出すとみんなを笑顔にしてしまうのだ。

トークを終えてロビーに出ると、
次の上映を待っているお客さまの中に
レンセキで録音をしてくださった大御所、久保田幸雄さんの姿があった。
懐かしい思いがこみ上げ、嬉しく挨拶をさせて頂く。

次のテアトル新宿イベントは7日(日)11時の回上映後。
菅孝行氏と脚本の井出真理氏による骨太なトーク。
「<路地>の向こうに広がるもの」。

4月5日6日は、東北フォーラム6劇場を佐野史郎が回る。
4月5日
フォーラム八戸/フォーラム盛岡/フォーラム仙台
4月6日
フォーラム東根/フォーラム山形/フォーラム那須塩原

まだまだ続く、『千年の愉楽』キャラバン!

2013年3月26日火曜日

3月25日(日)「千年の愉楽」染谷将太さん舞台挨拶レポート 名古屋シネマスコーレ

昨日3月25日(日)若松孝二最後の映画を若松孝二がつくった
映画館シネマスコーレで鑑賞しようと、「千年の愉楽」舞台挨拶に
たくさんのお客様が来場されました。

告知が2日前に発表され急遽決まった、この舞台挨拶。
それでも朝からシネマスコーレ前に列ができはじめ、
1回目、2回目ともにほぼ満席となり大盛況でした。

舞台挨拶をしていただいたのは染谷将太さんです。



映画館で映画を鑑賞するのが楽しみという染谷さん。
ご自身が出演されている作品は何度も観てしまうほどだそうです。
今回、シネマスコーレには初めて来られたとのことでした。

舞台挨拶では「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」でオーディション
を受けて、監督から年が若いとのことで落選してしまった悔しいエピソードや、
今回の「千年の愉楽」に出演が決まる経緯など若松作品に出演できた
嬉しさを語っていただきました。

若松監督はとにかく早撮りで、夜行バスで朝5時に現場に到着して、
その日の午前中には撮り終わってしまう、驚異のエピソードも飛びでました。
出演されてるシーンではリハーサルもほとんどなく、
1テイクのシーンもあったそうです。

今後、出演してみたい監督はいますか?のMCの問いには、監督と呼ばれている方の
作品にはどんどん出演していきたい。と熱意が伝わる頼もしい発言も飛びだし、
次の世代を担う俳優の発言に、場内は盛り上がっていました。

そして2回目の上映終了後、2度目の舞台挨拶が行われたのですが、
染谷さんは客席から登場!なんと「千年の愉楽」の上映を観ていらしたのです。
こんなところにも、映画を愛されている彼らしさがでていました。

「千年の愉楽」はシネマスコーレにて4月12日(金)まで上映いたします。

3月23日(土)~29日(金)
①10:30~ ②12:40~ ③18:10~ 1日3回上映。

3月30日(土)~4月12日(金)
①10:00~ ②16:10~ 1日2回上映

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