8月26日(日)、「実録・連合赤軍」が、湯布院映画祭で上映されました。
今年で32回目という歴史ある湯布院映画祭は、
各地から本当に映画を愛する人たちが集まってくる、
熱い映画祭として有名なのだそうです。
盆地の中にこじんまりと広がった湯布院では、
町を挙げてこの映画祭の開催をバックアップしている様子が
あちこちで出迎えてくださる方の笑顔から伝わってきました。
午後12時20分、上映会場が暗くなり、
東京や群馬など、各地から駆けつけてくださったお客様の前で
「実録・連合赤軍」が始まりました。
熱気に包まれた会場は、立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。
上映後、興奮さめやらぬお客様と、出演者・監督との
シンポジウムが始まりました。
「とんでもない映画が、できてしまいましたね。。。。」と
言葉にならない思いを語ってくださった人。
「少年の最後のセリフは、森と永田に責任を転嫁してしまうのでは」
「いや、あのセリフこそ、この映画のクライマックスだ」
などの、熱い議論。さらに、
「この作品は、あの時代を生きた人にこそ観て欲しい。
なぜ、今のような状況になってしまったのか。
民主党で政権交代だなどと喜んでいる、
当時の全共闘にこそ、観てもらいたい」
といったメッセージも。
そして、24歳の青年からの
「僕は、彼らがなぜ、このようなことをしてしまったのか、このようなことをして
何をしたかったのかが、やはりわからない」
という素直な投げかけに対し、出演者ひとりひとりが、
自分の言葉で、青年へ、ボールを投げ返しました。
60年代70年代の熱、表現のエネルギーを語ったARATAさん(坂口役)。
妬みや苛立ち、個人の感情は普遍的で時代を超えている、と語った並木さん(永
田役)。
突然、飛行場建設で立ち退きを命じられた人の気持ちを想像してみて、
そして、今の時代も、例えば、イジメなど様々な場所で、人が人の存在を
否定し、殺している状況があることを想像してみて、と語った地曵さん(森役)。
熱いシンポジウムとなりました。
「あまりの衝撃で、言葉がまとまりません」
と話してくれた若い女性もいました。
「あの後、自分の生き方を考えてしまいました。
そして、家に帰ってから、ネットで調べてしまいました。
勉強してから、公開されたらもう一度、見に行きます」
というメールをくださった人もいました。
あの時代と、そして今。
何が伝わって、何に衝撃を受けたのか。
あるいは、何が伝わらなくなっているのか。
人が生きることや、平和や平等さを求める気持ち、
一方で、弱さやずるさも抱えていることなどは
時代は変わっても、変わりはしないこと。
あの頃はベトナム、そして今はイラク戦争へ加担していること。
大学での学生の自由な表現への締め付けはますます厳しくなっていること。
変わったようで、変わらない今。
人が生きるエネルギーの強さ。そして危うさも。
観た人ひとりひとりが、あの作品と、それぞれの出会いをした。
そんな、確かな手応えを感じた上映でした。
来年春のテアトル新宿と梅田での上映が決まり、
11月からは新宿でオールナイトイベントが始まります。
ブログでも随時イベントの告知をしていきますので、
どうぞ楽しみにお待ち下さい
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