若松孝二 追悼を越えて
7月24日、テアトル梅田にて「時代の表現者たち」vol.2を開催。
若松監督の1960年代の旧作「欲望の血がしたたる」を上映、
林海象監督と福岡芳穂監督のトークが行われました。
若松孝二異色のサスペンスが描き出すもう一つの1960年代。
緻密に計算された構成に、意外!面白い!といった声も。
続くトークでは、若松プロの内情を元若松プロの福岡監督が赤裸々に語り
「実録・連合赤軍」のロケでも川崎のスタジオ提供など
全面的に協力してくださった林海象監督も、若松孝二の強引っぷりを
笑いとともに語ってくださいました。
ああ、あるある!と思わず吹き出すエピソードに事欠かない若松監督。
思い出すと出てくるのは涙ではなく笑い。
とはいえ、やっぱり、1つの時代が終わったのだと
折に触れて思うのです。
今の政治、改憲への足音、自民党の不思議な勝ち方、
原発事故の惨憺たる状況と再稼働への不思議なうねり。
しかし一方で、鮮明になっていく抵抗の軸足。
まだかろうじて踏ん張る事ができる。
若松節が聞こえてきそうです。
「怒る時は怒るんだよ。いやなものはいやと言うんだよ」
そのノイズが次なる作品を生み出す原動力になります。
林監督の新作『弥勒MIROKU』も関西を皮切りに
公開が始まっています。
生オーケストラ演奏などの実験的な試みも展開中です。
福岡監督の新作『正しく生きる』は来年公開予定だそうです。
そして今年も敗戦記念日がやってきます。
敗戦記念日の翌日、8月16日に、
追悼を越えて 時代の表現者たちvol.03を行います!
若松孝二が描くもう一つの戦争の姿。
「裸の影/恐るべき遺産」は、原爆症の少女の戦後を描いたが
女子高生たちの入浴シーンが大スキャンダルとなり
作品のテーマと関係ないところで大バッシングを受けました。
フィルムセンターから奇跡的に発掘された、この1本を上映します。
戦争と映画。
上映後には、現在新作に取り組んでおられる塚本晋也監督をお招きして
若松孝二について、あるいは映画という表現について、時代について
たっぷり語って頂く予定です。
BOX東中野の時代から、特集上映を行うなど、
塚本監督とも若松監督とも縁の深いポレポレ東中野にて、
8月16日という日にこうしたイベントが行える事。
追悼を越えて、私たちは歩いているのだと実感しつつ
一人でも多くのお客さまに足を運んで頂けることを願っています。
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