昨日、東京国際映画祭にて
「追悼・若松孝二」として
「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」が上映された。
急遽決まって、2日前から告知をした特別上映。
終了時間が夜中24時という遅い時間にも関わらず
場内にはたくさんのお客様が集まってくださった。
そして、若松組からのたっての希望で、
井浦新、大西信満、地曵豪、そしてスタッフを代表して
キャメラマンの辻智彦が、上映前に舞台挨拶に立った。
「この連合赤軍は、監督との出会いとなった作品。
監督は、怒りをモチベーションに、この作品を作り上げた。
監督が、いかにこの作品に情熱を注いでいたか、その情熱は
そのまま映像に焼き付いています。若松孝二を感じてください」
と井浦新が挨拶した通り、「実録・連合赤軍」は
およそ3ヶ月近くという若松組異例の長さをかけて撮影された。
監督が私財を投げ打って、プロデューサーとしての計算を越えて
若松孝二の人生の「落とし前」として取り組んだ作品だった。
猪突猛進に進んでいく監督の背中は、
時に猛吹雪の向こうにかき消されそうになったが
それでも、キャストもスタッフも、よろよろよろめきながら
必死にくらいついて、作り上げた作品だった。
若松孝二の声なき叫びが響き続けた現場だった。
(実際に毎日、リアルな怒号も響いていたわけだが)
今回の上映前の挨拶には、5分しか時間がとれないという
映画祭側からの説明もあったけれど
井浦らは登壇して挨拶することにこだわった。
それは、どんな小さな劇場であっても
頼まれれば舞台挨拶に出向いて行き、
自分の言葉で作品を語ろうとする若松孝二の背中を見続けていたからだ。
「北は北海道から南は沖縄まで、全国を監督とともに回った。
作品はお客さんに見てもらって完成する。
自分の声できちんと作品の事を語る。その事を監督に叩き込まれた。
だから、今回は急な事ではあったけれど、ここに立って皆さんに挨拶できたことを
感謝しています」と大西信満が語り、
地曵豪も「遅い時間にも関わらず、こんなにたくさんのお客様が見に来てくださって
本当に、心からお礼を申し上げます」と頭を下げた。
最後に、キャメラの辻智彦が
「キャストもスタッフも、表も裏も垣根を越えて作り上げたのがレンセキ。
スタッフを代表して挨拶をします。
若松孝二の肉体はなくなりましたが、若松孝二の魂、精神は
映画の中に生きています。魂と、作品を通してふれあってください」と
短い言葉の中に、追悼を越えた万感の思いを込めて挨拶をした。
上映後には、場内から自然と拍手がわき起こった。
若松孝二の「落とし前」を、多くのお客様が目撃し、共有した瞬間だった。
一週間前の下高井戸シネマでの舞台挨拶の時には
若松孝二の姿をどこかに探し求めるような
ただただ深い「哀しみ」の中にあったが
昨日の舞台挨拶では、若松孝二の存在が放ち続けたエネルギーが
それぞれの中で、それぞれに形を変えて、芽吹いていた。
生きて、死ぬ。
人と関わり、別れる。
作品が生まれ、作品と出会う。
哀しさも嬉しさもいっしょくたになったようだった。
若松孝二のまなざしをどこかに感じた。
「追悼・若松孝二」として
「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」が上映された。
急遽決まって、2日前から告知をした特別上映。
終了時間が夜中24時という遅い時間にも関わらず
場内にはたくさんのお客様が集まってくださった。
そして、若松組からのたっての希望で、
井浦新、大西信満、地曵豪、そしてスタッフを代表して
キャメラマンの辻智彦が、上映前に舞台挨拶に立った。
「この連合赤軍は、監督との出会いとなった作品。
監督は、怒りをモチベーションに、この作品を作り上げた。
監督が、いかにこの作品に情熱を注いでいたか、その情熱は
そのまま映像に焼き付いています。若松孝二を感じてください」
と井浦新が挨拶した通り、「実録・連合赤軍」は
およそ3ヶ月近くという若松組異例の長さをかけて撮影された。
監督が私財を投げ打って、プロデューサーとしての計算を越えて
若松孝二の人生の「落とし前」として取り組んだ作品だった。
猪突猛進に進んでいく監督の背中は、
時に猛吹雪の向こうにかき消されそうになったが
それでも、キャストもスタッフも、よろよろよろめきながら
必死にくらいついて、作り上げた作品だった。
若松孝二の声なき叫びが響き続けた現場だった。
(実際に毎日、リアルな怒号も響いていたわけだが)
今回の上映前の挨拶には、5分しか時間がとれないという
映画祭側からの説明もあったけれど
井浦らは登壇して挨拶することにこだわった。
それは、どんな小さな劇場であっても
頼まれれば舞台挨拶に出向いて行き、
自分の言葉で作品を語ろうとする若松孝二の背中を見続けていたからだ。
「北は北海道から南は沖縄まで、全国を監督とともに回った。
作品はお客さんに見てもらって完成する。
自分の声できちんと作品の事を語る。その事を監督に叩き込まれた。
だから、今回は急な事ではあったけれど、ここに立って皆さんに挨拶できたことを
感謝しています」と大西信満が語り、
地曵豪も「遅い時間にも関わらず、こんなにたくさんのお客様が見に来てくださって
本当に、心からお礼を申し上げます」と頭を下げた。
最後に、キャメラの辻智彦が
「キャストもスタッフも、表も裏も垣根を越えて作り上げたのがレンセキ。
スタッフを代表して挨拶をします。
若松孝二の肉体はなくなりましたが、若松孝二の魂、精神は
映画の中に生きています。魂と、作品を通してふれあってください」と
短い言葉の中に、追悼を越えた万感の思いを込めて挨拶をした。
上映後には、場内から自然と拍手がわき起こった。
若松孝二の「落とし前」を、多くのお客様が目撃し、共有した瞬間だった。
一週間前の下高井戸シネマでの舞台挨拶の時には
若松孝二の姿をどこかに探し求めるような
ただただ深い「哀しみ」の中にあったが
昨日の舞台挨拶では、若松孝二の存在が放ち続けたエネルギーが
それぞれの中で、それぞれに形を変えて、芽吹いていた。
生きて、死ぬ。
人と関わり、別れる。
作品が生まれ、作品と出会う。
哀しさも嬉しさもいっしょくたになったようだった。
若松孝二のまなざしをどこかに感じた。