7月8日。
テアトル新宿のファイナルイベント。
今回はスペシャルゲストに本作に企画参加した鈴木邦男も来るとあって
登壇する井浦新ら本人たちも気合いが漲る。
拍手で迎えられた若松監督、鈴木邦男、井浦新、満島真之介。
まずは、鈴木が、本編と当時についてを比較しつつ
映画とあの時代と三島や森田について論じた。
監督は、新撰組の土方歳三と三島由紀夫のイメージをダブらせて語り、
井浦と満島は、切腹の瞬間の思いを追体験したリアルさを語った。
鈴木邦男が「楯の会の若者たちは、あの若さで
あそこまで素晴らしい人間に出会ってしまった事が、
その後の人生において逆に不幸だったのでは」と語ると、
一方で満島が、「自分自身は、森田さんのお兄さんに出会い
若松監督に出会い、三島演じる新さんと出会えた、この濃密な時間は
それまでの22年をも凌ぐものを自分の人生にもたらした」と言葉をつないだ。
場内からは、「絶望からの出発だ、といって、最後に自決していく絶望的な終わり方。
どのように感じて演じていたのか。1年経った今の気持は。
さらに、この絶望感は、後の我々に何を残しているのか」といった問いが飛び出し、
怒涛のロケの瞬間の自分の感情を手探りしながら、
井浦と満島が、答えた。
映像を通して再び三島と森田が邂逅した、と鈴木邦男がトークを締めくくると
トークの終わりには、完成したての次回作「千年の愉楽」の
特別予告というサプライズが。
寺島しのぶ、高良健吾、高岡蒼佑、染谷将太、佐野史郎、井浦新らが織りなす
若松ワールドの新たな映像の断片が流れ、場内が静かにざわついた。
6月2日に初日を迎えた「11.25自決の日」も
いよいよ、テアトル新宿での最終日は今週金曜日。
まだ、各地で上映は続いているが、一つの大きな山場を通り過ぎた。
数々の「出来事」をくぐり抜けて、作品が一人歩きした一ヶ月。
たくさんの方が、劇場に足を運んでくださったこと、
そして、二度、三度と作品を観て下さった方が少なくなかったこと、心から感謝したい。
昨日の客席には、佐野史郎、片山瞳ら、若松組の俳優陣の姿もあった。
佐野も片山も、次回作「千年の愉楽」に出演している。
予告編を、思いがけず彼らと共にスクリーンで観ることができた瞬間、
次の作品に向けてのトビラが開かれたのだ、と実感する。
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