本日22日(土)、名古屋のシネマスコーレにて、ついに公開初日を迎えました。
シネマスコーレでは、初回を朝の8時10分から、しかも、初回のみ700円とい
う特別感謝価格にて上映するという試みをしています。休日のこんな朝早くか
ら、果たしてお客様は足を運んでくださるのか・・・・一抹の不安の入り交じっ
た思いは、8時前から並んで待ってくださっていたお客様の姿によって吹き飛ば
されました。
初回から18時40分のラストの回まで、毎回、会場はほぼ満席となりました。
冷たい雨の中、傘をさして劇場前に集まってくださったお客様の姿に、胸が
いっぱいになりました。本当に、すばらしい初日を迎えることができました。あ
りがとうございます。
各回上映後に、若松監督、ARATAさん、並木愛枝さん、地曵豪さん、大西信満
さんの挨拶と、会場でのティーチインが行われ、地曵さんが思わず「お客様の姿
が迫ってくる感じがして、怖いほどだった」と洩らすほど、次々とストレートな
言葉が飛び出しました。思わず質問しながら、感極まって泣き出した方、「万感
胸に迫る思いだ」と語って下さった方、「あまりに衝撃的な遠山さんの粛清シー
ン、撮影現場はどうだったのか」「一体、森恒夫は何を間違えて、あのような粛
清へと至ったと思うか」「実際に連合赤軍の兵士だった方たちは、この作品をど
う見ておられるのか」・・・・。
遠山さん粛清の場面について、永田洋子さんを演じた並木さんは「状況が少し
でも違っていれば、本当は遠山さんと自分は親友になれたのかもしれない、とい
う気持ちになり、辛くて仕方がなかった。実際の永田さんも、もしかしたらそん
な思いを抱いていたのではないか」と語りました。森氏の過ちは何だったと思う
かと問われた地曵さんは「簡単に、ここで一言では言えない。人間の感情は日
々、揺れ動いていく。ただ、自分自身は、あの状況にどんどん追いつめられ、ど
うやってこの集団を維持してくかということに必死になっていた」と話しました。
監督は「連合赤軍の若者を、権力の側から一方的に描いた映画や、ただ暴力と
セックスばかりを強調して描いた映画しかない状況では、監督として死んでも死
にきれなかった。60年代の出来事を含め、嫌なものは嫌だ、と声をあげ、立ち上
がった若者たちの生き方を、きちんと残しておきたかった。最後の少年の叫び
は、今、この映画を観ている一人一人に向けてのメッセージでもある。今の自分
たちは、嫌なものに対しては嫌だ、という生き方をしているかどうか」と語りま
した。
二回目の上映後、一人の女性が監督にそっと歩み寄り、小さなお年玉封筒を差
し出しました。驚いた監督は「頂くわけにはいかない」と断りましたが、女性は
「ぜひ、みんなで美味しいものでも食べてください」と言い、名前も言わず足早
に立ち去っていかれました。監督が封筒を開けると、中には、新札の1万円札が
5枚。監督は言葉を失いました。さらに、この女性が、坂東さんの役を演じた大
西さんに「私はあの時代、血を流し損ねた人間。その落とし前をつけるために、
今朝は自分の手を切って、血を流してから見に来ました」と、手の傷を見せてい
たことがわかりました。
「長い監督人生の中、こんなことは初めての経験。あの映画を作ってくれてあり
がとう、という気持ちを伝えようとしてくれたのだろうか。こんな人と出会えた
だけでも、あの映画を作ってよかった」と監督は言いました。
「もう一度、見に来ます」「自分にも、今、すべきことがあるんじゃないかと思
えた」「3時間10分があっという間だった」
上映後、皆さまからかけて頂いた言葉です。
先日の「別冊カドカワ」のインタビューで監督が話していた言葉を思い出しま
した。
「映画っていうのは、スクリーンの上でのお客さんとのケンカだからね」
今日、「実録・連合赤軍」と対話してくださった全てのお客様に、心からの感
謝を申し上げます。
そして、これから劇場に足を運んでくださる皆さま、心から、お待ち申し上げ
ております。
謝を申し上げます。
そして、これから劇場に足を運んでくださる皆さま、心から、お待ち申し上げ
ております。
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