2012年10月19日金曜日

21日(日)下高井戸シネマ

若松プロダクションに若松孝二の怒号が響かない。
それでも、空間のそこかしこに
監督の声が響いているように感じる。
「めそめそするな、バカタレ!」
「このタコ!しっかりしろ!」

そして、明日から、下高井戸シネマにて
「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」の上映が始まる。
21日(日)のトークイベントには
井浦新と満島真之介が予定通り登壇する。
監督の実体はないけれど、
この間、若松孝二と各地の劇場を周り
監督と共に登壇し続けてきた井浦新の中に、
初の若松組で監督の洗礼を浴びた満島真之介の中に、
若松孝二は息づいている。

そして、何よりも、作品の中に、若松孝二がいる。
「映画に時効はないんだよ。俺が死んでも作品は50年100年って残るんだから」
監督の言葉が、あのときには感じなかった重さで響いてくる。

2012年10月9日火曜日

若松監督、無事帰国

アジアの映画人賞を受賞した若松孝二が
無事、帰国した。
帰国の翌日は、柏市の商工会議所での講演を行い
本日は、いつもと変わらず、若松プロダクションの椅子に座っていた。
「マスタークラスでの講演会は、通訳の女性が涙ぐんでいたとの報告もありましたが
 監督はどんな話しをしたのですか」と聞くと
「連日、トークや取材の嵐だったから、もうよく覚えてないよ…」
 と言いつつ、
「若い頃に家出して、警察にぶち込まれた怒りが原動力だとか、
 今の原発の問題は、補助金漬けという根深い問題だ、ということを
 話したかな」
 と、振り返っていた。
 いずれにせよ、何十年と変わることなく、等身大の言葉で
 言葉と表現を続けて来た、若松孝二らしい講演だったのだろう。
 次の週末、監督は、井浦新とともに、函館映画祭へ向かう。

2012年10月6日土曜日

若松孝二のてのひら

昨日は、「海燕ホテル・ブルー」に引き続き
「11.25自決の日」「千年の愉楽」の上映とティーチイン。
それぞれ、詳しい情報は入ってきていないが、
恐らく、刺激的な会話が交わされた事と思う。
そして本日は、現地メディアの取材をこなした後
夕方から、若松孝二の「ハンドプリント」(=手形を押す)イベントが行われた。
釜山の地に、若松孝二の手形が残された。
監督の手は、労働者の手だ。
17歳で宮城を飛び出し、ニコヨン、和菓子やの丁稚小僧、あらゆる仕事をして来た。
そして、映像の世界に飛び込んでからも、バカマツと言われながら
下積みを経て、映画監督に。
監督になってからも、自ら交通整理をしたり
小道具の料理を作ったりと、手と身体を動かさずにはいられなかった。
以前、東京映画祭で「実録・連合赤軍」がある視点部門に招待され
レッドカーペットを歩くように言われた時
「映画作りなんて、偉そうに赤いカーペットを歩く商売じゃないんだ。
 俺は所詮、映画作りしかできないから、映画を創ってるだけだ」と言って
正装してカーペットを歩くことを断固として拒否した。
あれから数年の間に、ベルリンで銀熊をとり、
カンヌとベネチアに招待され、今回も釜山で名誉ある賞を受賞した。
歩けと言われれば、正装してカーペットの上も歩く。
取材も、求められれば応じる。
話せと言われれば、登壇する。
監督の周辺は一気に華やいだ。
しかし、監督の手は、やはり労働者の手だ。
ものづくりへの気持ちも、何も変わっていない。


井浦新から送られた、この写真を見ながら、
改めて思った。
そして、今夜、マスタークラス講演会に登壇している。

ものづくりへの思いを、どのような言葉で語るのか。
そもそも、語る言葉を十分持ち合わせないから
若松孝二は映像で表現するのであるが、
それでもなお、どんな言葉が飛び出したのか
帰国後の報告が楽しみである。

2012年10月5日金曜日

「海燕ホテル・ブルー」上映後、熱く語る!

再び、釜山より速報レポートあり。
先ほど、「海燕ホテル・ブルー」の上映が終了し
監督とキャストが登壇した。
と、井浦新より、最新の情報が入った。
井浦、自ら登壇しつつ、監督を激写。

観客からは、プールでの色の変化、カメラ目線で原発を語る意図などの質問のほか、
現金輸送車の強奪回想シーンの少女の傘と
梨花の番傘とのつながりについて、といった新しい視点での問いかけも。
監督、1つ1つの質問に、楽しそうに丁寧に答えているという。
3つめの質問は、なかなかに鋭い!
当初、現金輸送車にぶつかってしまった少女の魂として
梨花を描こうか、という案も出ていたのである。
しかし、それをそのままリアルに描くと、妙にオカルトっぽくなるので
監督が、最終的にその案を退けた、という経緯がある。
が、監督の頭にわずかに残っていたその余韻が
映像を飛び越えて観客に伝わった、という事に、やはり映像表現の醍醐味を感じる。
井浦に対しても、様々な監督と仕事をすると刺激になり想像力が豊かになるか?
との観客からの質問が出て、井浦自身も「熱く語ってしまいました」という。
もうすぐ、「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」の上映が始まる。
韓国のお客さんたちから、どのような反応が飛び出すか
それに、監督や井浦らがどう応えるか、楽しみだ。

釜山からのフォト便り

先ほど、監督の現地メディアのロングインタビューが始まった。
監督の体調はすこぶる良好。
との連絡が、同行する井浦新より入った。



いずれもphoto by Arata Iura
昨晩の開幕式写真は大西信満撮影。
同行するキャストも一丸となって
釜山初参加の若松監督をサポートしてくれる。
若松塾の熱い仲間たちである。
この仲間たちあってこその若松組である。
と、改めて思う。

釜山映画祭にて、アジア映画人賞受賞!

昨夜、釜山のシネマセンターは、熱気と大歓声に包まれた。
第17回釜山国際映画祭が開幕したのだ。
そして、その初日の大舞台で、「今年のアジア映画人賞」という
栄誉ある賞を受賞したのが若松孝二。
夕方の飛行機で釜山入りした監督は
そのまま慌ただしく開会式の会場へ移動。
大観衆の前で、トロフィーを手にした。



本日の地元新聞は、若松孝二の受賞を大きく取り上げている。

本日は、午後から夜にかけて
「11.25自決の日」「海燕ホテル・ブルー」「千年の愉楽」と
3本の特別上映と舞台挨拶が行われる。
現地入りした、井浦新、片山瞳、大西信満らも監督とともに登壇する。

2012年9月26日水曜日

ベネチアの風

少しタイミングを逸してしまったが
ベネチア国際映画祭での写真が届いたので、
向こうでの風が感じられるような写真を数点アップ。





しみじみ、若松監督は、人間に恵まれている、と思う。
時に毒舌で、強引さも際だつ一方で、屈託ない素直な性格が、
こうして多くの人を惹き付ける。
ベネチアに同行してくださった皆さま、ありがとうございました。
いよいよ、来年春の公開に向けて
様々なイベントの企画の準備が本格的にスタートする。