若松監督の右腕だった撮影の辻智彦さんの
初プロデュース作品「かなたの子」がWOWOWで始まり、
若松組の俳優たちも、テレビドラマに舞台に映画に活躍を続け、
新たな作品が次々と世の中に「オギャー」と生まれ、
あるいは、過去の作品との新たな出会いも次々生まれて
そうして、月日は流れている。
若松監督のよき理解者であり
小粒の山椒のような味わいを加えてくれる出演者であり
ささやかな酒を酌み交わす仲間であった
ゲージツ家KUMAさんこと篠原勝之さんが
若松監督と北海道を旅した記憶を辿った短編「花喰い」が
文学界1月号に掲載されている。
生きる事が始まったその瞬間から
死ぬ事を抱えて全ての人が生きる事を
ことあるごとに感じる日々でもあった。
このブログを始めた「実録・連合赤軍」制作準備の動きだしの頃。
「共謀罪」が審議されたり、法政大学で立て看板を巡って学生が逮捕されたり
いろんな出来事が相次いで、若松監督はよく吠えていた。
そして今、特定秘密保護法の強行採決に防衛大綱で防衛力強化、
エネルギー基本計画で強引な原発回帰、怒濤のような激しい流れの中で
若松監督の吠え声は、聞こえてこない。
2013年という年を、忘れないだろう。
そして、この年の締めくくり、
若松孝二一周忌の締めくくりに、
奄美大島にて「千年の愉楽」を上映するのである。
上映後には、出演の井浦新さんと、
音楽の中村瑞希さん、ハシケンさんのトークがある。
作品と出会った奄美のお客さまとともに
どんなトークが繰り広げられるだろうか。
12月22日(日)17:30開場18:00開始
会場 りゅうりゅう館
前売 一般1500円 学生1200円
当日 一般2000円 学生1500円
(未就学児は無料)
そして、年末の大晦日に、ロケでお世話になった
東紀州FCの田上さんがFM三重に出演して
「千年の愉楽」についてお話してくださるという。
12月31日(火)7:30〜のレディオキューブFM三重「READY!」の
「三重映画さんぽ」コーナーにて!
(田上さんのトークは8:40頃の予定)
三重県尾鷲市須賀利でのロケは2011年の晩秋だった。
あの瓦屋根の集落の向こうに見えた尾鷲湾の朝と夕暮れ。
酸素ボンベをポケットに入れた監督と一緒に
海の上の光の反射が刻々と表情を変えていくのを眺めたロケの11日間が
どれだけ豊かな時間だったのか、今になって痛いほど噛み締めている。
田上さんのトークから、どんな須賀利ロケのエピソードが飛び出すか
大晦日の慌ただしい一日のスタートを、ぜひFM三重で!